反出生主義は間違っているか?


2500年前の仏教以前の時代から、生自体が苦しみであるという認識は広く人類に共有されていた。
本来、仏教とは、生=苦痛の永遠の継続という地獄(輪廻)から永久に脱け出す(解脱)ための教えなのだから、こうした思想は今に始まった話ではない。
だから子供を産まない反出生主義や、さらに全人類(生命)抹殺主義などが生まれてくるのも当然ではある。
しかし生命が発生してきたのも必然であり、生を悪(苦>>快楽)と考えて、産まない人が過半数を超えたり、大量の自殺や無差別殺人が発生したとしても、
所詮は儚い試みに過ぎず、キリスト教原理主義やカトリックなど残った人類がすぐに繁殖して穴を埋めることになる。
と言うか、現実に、なぜ繁殖肯定の宗教信者が世界の大部分を占めているかが、その答えと言えるだろう。

個人的には、反出生主義と、その支持者の行動には特に問題を感じないし、今の人類は多すぎるので、こうした(一見、利他的に見えるが、実は単なる苦痛回避の利己的な)主張が先進国で流行して人口が減っていくのは、現在の地球生態系の持続可能性を高める上でも有効だとは思うが
他の生命同様、人間の繁殖欲求は非常に強力で、基本は利己的なので、焼石に水だろう。

人間(の脳や文明)もまた遺伝子の自己増殖過程を効率化し安定化するシステムとして進化してきた分子機械が生み出した必然の結果に過ぎないし、反出生主義や民族浄化戦争などもまた、日本国憲法の生命第一主義などと同様、その一つの結果ということだ。


最近も反出生主義に対する勘違いに基づく批判も多い

>この世界を無くさないと行けない

別に、根本的に全生命の苦の問題を解決することを目指している人ばかりではないし
子孫に苦痛をもたらす悪行為(産む)を避けること
つまり「自分のできる範囲で、悪を避け善をなす」という主義だから、完全に批判は検討違いと言える
https://note.com/knbook/n/n1ec5ab02baf6



午堂登紀雄氏の「反出生主義が間違っている理由」も、おかしい。
>1:人生に疲れて現実逃避
 反出生主義において、現実は悪(苦)だから現実逃避は善
>2:苦痛は「本人がどう受け止めるか」次第
 末期がんで苦しむ人、子供を惨殺されて苦しむ人にも、本人次第と澄ましていられるか?
>3:苦しみも不安も「必要な感情」
 生にとって必要に過ぎない、生を否定するなら不要
>4:人間が存在しているのには意味がある
 単なる思い込みに過ぎない。人類誕生は必然であっても、意味(価値)とは無関係 
>5:「みんないなくなればいい」は思考停止
 誰もいなければ苦(悪)もない、というのは単なる事実
>6:子どもが欲しいのは親のエゴだが、産まないのもまたエゴ
 子の苦しみを減らすエゴと、子を自己満足に使うエゴとどちらがマシか?
>7:「生き方を選べる」のが最大の民主主義
 民主主義や自由に価値があると思うのも、生者の単なる思い込み

>なんでオレを産んだんだ
 子供が欲しかった、特に理由はなくでき婚だった、
 生命は、みな、そうして生まれてくるのだ
 などと素直に答えれば良い
https://www.mag2.com/p/money/1075492



https://news.yahoo.co.jp/articles/c5a00343badc8a18c15b2615a780e0e27d57c440
「苦しみが存在しない世界を作るのは、むしろ良いことではないか」人の誕生・出産を否定する“反出生主義



Wikipedia 反出生主義 
1.誕生否定、2.出産否定の二種類に大別
1の「誕生否定」は更に、1-1.「自分が生まれてきたことを否定する思想」と、1-2.「人間が生まれてきたこと一般を否定する思想」の二種類
2の「出産否定」は、「生殖否定」「反生殖主義」「無生殖主義」 (英: anti-procreationism) とも呼ばれる。

アルトゥル・ショーペンハウアー「人生は苦しみの方が多い、最も合理的な立場は子供を地球に生みださないこと」
「全体的に考えると生命は生まれない方がより良い。 倫理的な行動の本質は、同情と禁欲によって自分の欲望を克服することからなる生きる意志の否定」

デイヴィッド・ベネター「快楽=良い 苦痛=悪い 非対称」
 苦痛を受ける主体が存在しない場合、苦痛は欠如=良い
 快楽を剥奪される主体が存在しない場合、その快楽の欠如は「悪くない」。

http://www.philosophyoflife.org/jp/seimei202102.pdf
反出生主義とは何かその定義とカテゴリー森岡正博
ベネター「反出生主義とは 生まれてくる子どもが経験するであろう苦しみを避けるために子どもを産まないこと」
「反出生主義」という言葉は、
(1)「すべての人間は生まれてこないほうが良かった」、
(2)「我々が子どもを産んでいくことは避けなければならないし、人類は滅亡したほうがいい」
という二つの意味を持つものとして2013年に導入された
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